
――家で映画を楽しめるテレビって?
映画評論家のLiLiCoさんもおっしゃっていた通り、家で映画を楽しめるテレビの条件は、「黒の締まり」「映り込みの少なさ」「なめらかさ」です。
この3つの条件、簡単なようで実現するのは難しい話なのです。実際、古い液晶テレビの中にはこれらの条件を満たしていないものが多数ありましたし、今売られているテレビの中でも残念ながら映画視聴には適さないものがあります。
しかし、ソニーの〈ブラビア〉HX920であれば大丈夫です。それは、HX920が液晶テレビの各賞を受賞したからだけではありません。その裏にはしっかりとした技術的背景があるのです。
――家で映画を見る時の条件1
「黒の締り」をクリアする『インテリジェントピークLED』
LiLiCoさんも驚いていらっしゃいましたが、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の暗いシーンや上下の黒帯、エンドロールにおける黒の締り・コントラストが〈ブラビア〉HX920で見た映像ではしっかりとしていました。それは〈ブラビア〉HX920には『インテリジェントピークLED』という技術が搭載されているからです。
『インテリジェントピークLED』は、画面を何分割かに分け、各所で入力された映像信号を認識し、それぞれ明暗を調整します。例えば、上下の黒帯の部分などは、もう映像信号が無くて黒だってことを認識すると、この部分のLEDを完全に消してしまうのです。部分的に消したりするため、ローカルディミング、部分偏光なんて言い方もするのがこの機能なんですが、こうやって各シーン・映像を分割して、それぞれに相応しいバックライトを個別に制御することで、圧倒的 な黒の締りを実現しているんですね。

(SONY〈ブラビア〉NX800(左)と〈ブラビア〉HX920(右)との比較)*3
しかも、『インテリジェントピークLED』はそれだけではありません。例えば、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』にある、杖に明かりを付けながら暗い金庫を歩くシーンのように、全体は暗いけれど明るいピークがあるようなシーンでは、この機能による表現力の素晴らしさが表れます。〈ブラビア〉HX920は先程申しました通り、部分部分で明るさのコントロールができるのですが、暗いシーンの電力を抑えることで、余った明るさのパワーを明るいピークの信号に足しこむという、減らすだけではなく増やすというかなり細かい制御をすることができるのです。それによって、黒が締まるばっかりじゃなくて、明るいところも力強さを増し、高コントラストが実現されているのです。
――家で映画を見る時の条件2
「映り込みの少なさ」をクリアする『オプティコントラストパネル』
次の条件は映り込みの軽減です。テレビはどうしても居間に置くことが多いですよね?そして、日本の居間は海外に比べて圧倒的に明るいため、テレビへの映り込みが気になりやすい環境にあります。
これをクリアするのが、〈ブラビア〉HX920の『オプティコントラストパネル』という技術です。これは液晶パネルと前面ガラスの間に樹脂を封入することによって、液晶パネルと全面ガラス間の内部反射を減らすものです。
このパネルを使ったテレビではかなり映り込みの量が抑えられますので、明るい居間でも暗い部屋でも、映りこみをあまり気にせず映画を楽しむことが出来ます。

(SONY〈ブラビア〉NX800(左)と〈ブラビア〉HX920(右)との比較)*4
――家で映画を見る時の条件3
「なめらかさ」をクリアする『4倍速』
最後の条件は映像の「なめらかさ」。これは〈ブラビア〉HX920の『4倍速』技術によって解消されます。
それが映画を見る時にどういう効果があるのかをご紹介しましょう。映画というのは、1秒間に24枚の画で構成されています。通常はこの24枚の画が約2回ずつ表示され、テレビで放送されていてコマ数が少ないため激しい動きのある映像などでは被写体や背景の動きがカタカタして見えてしまうのです。これに対し、『4倍速』では、24枚の各画の間に前後の関係を見て補完映像を9枚作り、画を繋ぎ、コマ数を増やすため映像がとてもスムーズになり、リアルさを増すのです。

ただし、映画のカタカタした動きについては、「これ自体が味であり、こうしたカタカタした画こそが映画監督の意向である」という意見もありますし、私もそういうケースはあると思います。
そこで、以前『劔岳 点の記』を撮影された木村大作監督とお仕事をしました際に『4倍速』による画を見せて「これは嫌ですか?」と聞いたところ、「こっちの画の方が24コマより全然良い」と仰られて驚きました。もちろん監督によって考え方が違うと思いますが、これまでは技術の限界でこれまで我慢していたことが〈ブラビア〉HX920によって解決される喜びがあったのかと思います。
しかし一方で、やはりこのスムーズさが不自然だという方もいらっしゃるでしょう。好みの問題もありますので、例えば古いモノトーン映画には使用しないで、スピード感のあるアクションなんかにはこういうモードを入れてみるなど、色々試してみるのがいいでしょう。

――自宅で映画を見る時の最適な視聴距離&モードについて
最後に、家で映画を見るときのコツを皆さんにお伝えしたいと思います。皆さんは小さい頃よく「テレビは明るい中で離れて見よう」と散々言われてきたかと思います。しかし、今やどんどん技術が進歩して、映画はなるたけ映画館の環境に近づいて見たいという我々映画ファンの望みに、テレビが応えてくれる時代になりました。映画館のように部屋を暗くし、テレビの近くで臨場感溢れる映像に集中できるようになったのです。そこで改めて、現在の液晶テレビで映画鑑賞を楽 しむ際の、最適な視聴距離と画質モードについてご紹介しましょう。
それではまず、最適な視聴距離について。通常、皆さんのご家庭にあるテレビと椅子はリビングのウォールトゥウォールで置く(それぞれを壁の端に置く)ことが多いと思います。そうすると、テレビと椅子の間は広い場合、テレビの高さの7~8倍になります。しかし、実はハイビジョンの最適視聴距離は『テレビの高さの2~3倍』とかなりの近距離なのです。これにはきちんと理由がありまして、画面の3倍の位置で16:9の画面を見ると水平視野角が大体35度となります。映像心理学によると水平視野角が35度になると、人間は急激に臨場感を感じるそうなのです。ですから、テレビ内のコンテンツに臨場感を持たせ、自分がその世界に入り込むには『テレビの高さの2~3倍』の視聴距離がお勧めなのです。
次に、視聴モードについて。近日登場してきたテレビの多くには、映画を見るためのモードが予め備わっています。例えば今回映画鑑賞会イベントで使用した液晶テレビ 〈ブラビア〉HX920には、暗い環境で見るにふさわしい『シネマモード』という機能があります。このモードは明るさを落とした目に負担が少ないモードで、しっとりした映像を仕込んであります。ですから、映画館のように照明を落としてこのモードで映画を見ると、「あれ、うちってまるで映画館?」と思える体験ができるのです。『シネマモード』を始め、画像モード・画質調整の項目はたくさんありますが、ある程度把握できれば、映画の内容に合わせて使いこなすことでさらに映画を楽しむ世界が広がっていきます。
最適な視聴距離、最適なモード、この二つを踏まえ、ちゃんと「シネマモードで近づいて見る」と、映画のスクリーンの中に入り込んでいくような没入感を得ることができます。特に、LiLiCoさんが挙げてくれた「家で映画を見る時に大事にする3つの条件」をクリアしているテレビを選ぶと、家で映画を一層楽しむことができます。
――どうしても映り込みが気になる方へ
ベストは部屋を暗くするか、ご紹介した『オプティコントラストパネル』搭載テレビを選ばれることです。それが難しい方は、テレビの背面に白熱電球等を使った間接照明をセットすると良いでしょう。
天井のライトがあるとテレビの画面に向かって光が入っていくのでその反射で映り込みが気になるのですが、画面の後ろに間接照明を付けることによって映り込みがなくなり、より快適な視聴環境を作ることができます。
映り込みを軽減する技術とちょっとした演出を掛け合わせることで、視聴時に気になっていた映り込みは解消できるのです。
*3:写真提供:のぽりん様
*4:写真提供:goma様